おしゃれイラスト?、いいえ完璧なマンガです 「北のライオン」第1巻 わたせせいぞう 【マンガレビュー】
これを白黒で読むとかありえない度:★★★★☆
初版発行2011年。
モーニングの年代別名作1巻無料でゲット。
人にはウイスキーの数だけの生き様がある。そして酒場には夜の数だけの出会いがある。
亡き妻・恵子を育んだ国にやってきたバーテンダーの“MR.ライオン”。強面だけれどお人好し、屈強だけれど寂しがり。Keiko’s BARで400本のウイスキーとともに夜ごと織りなす、時に切なく、時に暖かいスモーキーでちょっとオトナの物語。
こんなお話が、オシャレ以外の何ものでもないわたせせいぞう氏のカラフルな作画で描き出される。
画風もオシャレだが、英国紳士の主人公ライオン氏の普段のファッションも超オシャレ。
真夏のクソ熱い日でもジャケット着用でお出かけします。
まさにイングリッシュマン・イン・ジャパン、である(ちょっと意味不明)。
そんなわたせさんのマンガに対してはあまりのオシャレっぷりに「これはただのイラストだろ」的な悪口がそれこそ30年位前からあるわけだが、そんなのは言うまでもなく的を外しまくっている。
短いページにぎゅっと心の綾を詰め込んだ、ストーリーテリングこそがわたせせいぞう氏の真骨頂だ。
時にオーソドックス(つうかベタ)な、時にどんでん返し的な(あんまりないかも)、時になんだかよくわからんけどカッコイイからいいか的なラストのコマを読むたびに、カラフルで香り高い感動が胸をよぎる(まあそうじゃないときもある)。
繰り返す。わたせせいぞうは完璧なマンガ家である。
唯一無二の画風とストーリー構成力。
本作においても、挿入される今はなき奥様との思い出、ウイスキー一本一本に語られるうんちく話、そして日本語が未だに話せないライオン氏のそれ故にコミカルで優しさに溢れた日常が、短いページの中でバランス良く語られていく。
続刊もぜひ手に入れたい所存。
静かな夜に、ハードピートなウイスキー片手に楽しみたい一冊。
とかいいつつも僕はスコッチ苦手なんで、バーボンかジャパニーズのそれも安いやつ専門なんですけどね。あ、夏はオンザロック、冬はお湯割りで。
あんまりオイニーのキツイ酒とかマジ勘弁っすわ(台無し)
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