これが究極のノマド生活なのか? 「多動日記(一)「健康と平和」: -欧州編-」 高城剛 【一般書籍レビュー】
ハイパーメディアクリエイ度:★★★★☆
kindle unlimitedで6月末くらいに読了
家を持たず、LCCで常に国境をまたいで移動するのが本当のノマドワーカー?
ハイパーメディアクリエイターこと高城剛氏の日記。というかエッセイ集。
「多動」と言う言葉が大手出版社には耐えられなかったらしく、KDPによる個人出版となった。
どうやら多動=ADHDと短絡されてしまう可能性を危惧したようだ。
それではちょっと長いけど大事なことなのでwikipediaから引用して見よう。
注意欠如・多動性障害(ちゅういけつじょ・たどうせいしょうがい、英: attention deficit hyperactivity disorder、ADHD)は、多動性(過活動)、不注意(注意障害)、衝動性を症状の特徴とする神経発達症もしくは行動障害である[1][2]。ICD-10における多動性障害(英: hyperkinetic disorder)はほぼ同一の概念である。
(中略)
その症状が、正常な機能と学習に影響を及ぼしている場合のみに診断する[1]。症状は早い時期(6歳未満ごろ)から発症し、少なくとも6か月以上継続している必要がある[1]。診断は、多くの精神疾患と同様に問診等で行われ、ADHDに特化した生物学的マーカーや心理アセスメントは開発中であり、一般的でない。アメリカではADHDに関する論争が盛んである。
ADHDは多動性、不注意、衝動性などの症状を特徴とする神経発達症の一つと言われているが、じっとしている等の社会的ルールが増加する、小学校入学前後に発見される場合が多い。一般に遺伝的原因があるとされる[5]が、同様の症状を示す場合を含む。注意力を維持しにくい、時間感覚がずれている、様々な情報をまとめることが苦手などの特徴がある。日常生活に大きな支障をもたらすが適切な治療と環境を整えることによって症状を緩和することも可能である。遺伝的な要因もあるとされるため、症状は育て方や本人の努力で完治することはないとも言われている[6]。wikipediaより 太字は筆者による
高城剛氏は、
・常に移動していないと耐えられない自分
・すでに家はなく、常にホテルか移動の航空機
・最近では同じ作業を45分しか継続できなくなった
・だから映画も最近は最後まで見られない
このような自分の「性格」「傾向」を指して多動という言葉を使ったようである。
wikipediaの解説によれば、僕には明らかにADHDとは違うものに見える。
マスコミ的には「ハイパーメディアクリエイター」という謎の職業で、某有名女優の元夫というカテゴリに属するらしいのが高城氏である。
つまり、高城剛氏はよくわからない人。よくわからない人は怖い。
そんな人が誤解を招くようなタイトルの本を出すのはリスキーというのが判断なのだろうか。
いや、出版業界の人がよくわかっていないというようなことは無いような気もするが。
この点に関しては、実は僕はどうでもいい。いやむしろアンリミで無料で読めることになったので感謝したいぐらいである。
だが「まえがき」あたりできちんと説明すれば足りると思われるような理由で、ビジネスチャンスを逃したというあたりに、出版業界の未来を危惧せずにはいられない。
実際、高城氏も「出版不況ではない。出版社不況なのである」と言っている。
誤解、といえば僕もずいぶんと高城剛氏を誤解していた。
というか、前述した「ハイパーメディアクリエイターで某女優と離婚した人で短パンタキシードの変な人」という認識しか持っていなかった。
氏の映像作品は今も見たことがない(たぶん。もしかしたら気付いてないだけであるのかも)。
だが電子書籍でのみ出版されている「白本」「黒本」シリーズを読んで
「うわ、悔しいけどなんか言ってることまともじゃん」
と思えるようになった。
この「悔しいけど」という感覚は実は今でも払拭できていない。
これはもう氏の
「マックと数少ない荷物だけ持って世界中を飛び回ってなんかよくわかんないけどクリエイティブな仕事をしてるらしいお金持ち」
という究極ノマド生活をしていることに対する純粋な嫉妬である。
憧れ、とは書きたくないけど、やっぱり憧れかなあ。
この「数少ない厳選された荷物」に関しては、「Life Packing」シリーズに詳しい。
これもアンリミで読める。
おっと中身に触れる前に随分と長々と書いてしまった。
本書の中身は、そんな究極ノマド生活者(そんな肩書は氏は自ら名乗っていないし、多分否定するだろうが)の、移動して仕事しながら考えたことが、日記形式で綴られている。
タイトルと連動して、このような一文がある。
旅に必要な第一は、お金ではない。健康であることだ。そして、世界が平和でなければ、自由に旅することは難しい。
だから「健康と平和」である。
ちなみに氏はよく「健康のためなら死んでもいい」などと言うほどの健康オタクである。
水や食(玄米)へのこだわりが凄いのだが、このへんは僕はちょっとついていけないところだ。
ただし僕達が普段口にしている「白砂糖」に関する以下の言及には、はっとさせられた。
高城剛氏は、特に砂糖は国家が売る最たる合法ドラッグで、精製された白砂糖は人の心身をダメにする、と警鐘を鳴らす。
過分な糖は人を必要以上に太らせるが、実はそれ以上に脳もダメにするのだ。正確に言えば、脳がダメになるから太るわけで、もっと言えばすべての病気は脳ではじまり、それが身体に現れるにすぎない、という。
そして精神の健康と幸福感のために「瞑想」にも力を入れている。
どうやら海外の著名な瞑想家に師事して、けっこう深いレベルまで極めつつあるらしい。
科学的には脳内物質セロトニンを出すための方法の一つとして瞑想があるという。
セロトニンと言えば「幸せホルモン」などというラブリィかつ怪しいニックネームが有る。
この単語でググるとなんだか信憑性が今ひとつなくなっていく気がするが、まあ幸せなんて自分が幸せだと思えば幸せ。ということなんだろう。
ということで、「多動日記(ニ)」がでたら読みます。
多分アンリミで出してくれるだろうし。
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