世界は文字と選択肢でできている 「バベルの図書館」 全1巻 つばな 【マンガレビュー】

2017年11月5日

図書館ヤバイ度:★★★☆☆
kindle unlimitedで6月末くらいに読了

「バベルの図書館」といえば、アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編小説

を思い浮かべるかもしれません。……なんて書いておきながら僕は未読かつ存在も知りませんでした。お恥ずかしい。

でもそんなときはwikipedia様におすがりしてみましょう。

「バベルの図書館」と呼ばれる(主人公は「宇宙」と呼ぶ)その巨大な図書館は中央に巨大な換気孔をもつ六角形の閲覧室の積み重ねで成っている。閲覧室は上下に際限なく同じ部屋が続いており、閲覧室の構成は全て同じである。
(中略)
この図書館の本には次のような特徴がある。
全て同じ大きさの本であり、1冊410ページで構成される。さらにどの本も1ページに40行、1行に80文字という構成である。また本の大半は意味のない文字の羅列である。また、ほとんどは題名が内容と一致しない。
(中略)
それゆえ司書たちはこの図書館は、この25文字で表現可能な全ての組合せを納めていると考えている。すなわち、これまでに書かれたすべての本の翻訳、これから書かれるすべての本の翻訳、それらの本の落丁・乱丁・誤訳版、および不完全な版を指摘した解説書、解説書の偽書、解説書の偽書一覧目録(これにも偽書あり)等のすべてを含む。
(後略)

なるほどわからん!

わからんがこの図書館のイメージをモチーフに、つばな氏版の「バベルの図書館」は物語られていきます。

あらすじに関しては、太田出版の書籍紹介ページにこれまた頼り切ってみよう。

彼女の心は壊れてしまった。ぼくの言葉で。
◆言葉はパターンで、文字は記号の組み合わせでしかない。この世に書かれ得る文章は、実のところ限られている。紙に触っただけでそこに書かれる全ての文章を読む力を持つ少年・渡瀬くんと、天使の存在を信じる平凡な少女・相馬さん。渡瀬くんが相馬さんと一言一句まで同じ作文を書いたその日から、ひとつの物語が始まった――。
◆日常に倦む女の子と、不思議な力を持った男の子。作り出された“運命の出会い”を描く、ちょっとダークなボーイ・ミーツ・ガールストーリー。

はい、きました!

ボーイがガールとミーツする話です!

しかもSF(少し不思議)です!
これはもう萌える/燃えるしかッ!!

……そうは問屋がおろしませんでした。
確かにボーイがガールとミーツするのですが、キャッキャウフフの世界には行きませんでした。

ボーイはちょっと間違えてしまいます。
そのせいでガールはちょっとアレな方向へ行ってしまいます。

実はそうならなかった世界、そういう方面を選ばなかった世界、間違わなかった?世界も示唆されています。

果たして物語としては、どれが正しかったのでしょうか。
選ばれなかった選択肢の先には何があったのでしょうか。

作者のあとがきからもわかりますが、こんなテーマをマンガで描くことに挑戦した意欲作。
そのチャレンジ精神は素直に素晴らしいと思います。

……思いますが、やっぱこれマンガじゃなくて小説でやるべき分野だったような。
そんでやっぱいくら可愛くたってメンヘラちゃんは怖いわ~マジムリ、とか思いました。

 

バベルの図書館

バベルの図書館

posted with amazlet at 17.08.01
太田出版 (2014-07-04)