「大人のための読書の全技術」齋藤 孝 【一般書籍レビュー】 言いたいことはただ一つ。本を沢山読もうヨ!
積んでもいいけどがんばって崩せ!度:★★★☆☆
2017年5月に読了
齋藤孝氏は、明治大学文学部教授にして(ビジネス書)作家である。
いわば文系というカテゴリのかなり上の方に属するといっても過言ではない人だ。
従ってそもそも読書が全ての仕事の基本、いわば飯のタネになっている人だ。
本書はその齋藤孝氏が実践する読書の全技術を開陳するという内容になっている。
この本の最終目的は、
「読書スピードを自在にギアチェンジしながら、要約できるレベルで理解できる」
ようになること。
なぜならば、文系の仕事についている人以外でも、ほぼ社会人にとって必要な教養や知識は読書から得られるものだからだ。
全ての人に読書は必須である。
だから、読書習慣のない人にはまずは読書を楽しめるようになって欲しい、という。
早い話が、いいから黙ってとにかくどんどん本を読みなさい!(2回め)、ということだ。
前半で、読書の必要性がとくとくと語られる。
だが以下に示すとおり、さほど類似の本と差異があるわけではない。
・読書で自分ブランドをデザインできる
・語彙は思考速度に比例する
・読書でストレス耐性が身につく
・自己改革の重要手段である
などなど。
特に自分ブランドなどという、よく分かるようなわからないような単語の代表選手を持ち出されてても、ちょっとピンとこない僕だった。
雰囲気ではなんとなくわかるんですけど。
それはさておき、とにかくたくさん本を読め!(3回目)、ということなのである。
そのためには「読書のライフスタイル」というものを構築することを勧めている。
例えば、
・本棚を買え
・脳内図書館を構築せよ
・本を読むための独自のルールを作れ
などなど。
2番目の意味が少々わかりづらいが、脳内に自分なりの精神文化を作れ、ということらしい。
本を読むためのルールとして、読む時間と毎月投資する金額を決める、ということも提唱している。
このあたりに関しては、僕もすでに実践している。
ただし電子書籍という形態に特化した形でだが。
そして大量に読むために、速読の技術を磨くべしという。
ただし目の動かし方とか、ページをめくるワザとかそんな些細な技術ではなく、
・読む目的を決める
・読み終える締め切りを設定する
・読む前にキーワードを幾つか決めておく
・買ったら喫茶店にでもすぐ入って、パラパラする
・同時並行で何冊も読む
というような、精神的な技術心構えを紹介している。
僕の場合は同時並行読みだけはすでに実施中だ。
また本を書き写すこと、音読することの利点も述べられ、そこから営利目的なしの教養としての読書、古典を読むことの重要性、更には読書を元にした雑談の技術などにも言及されている。
確かに、齋藤孝流読書の奥義書だった。
いやちょっといいすぎかな。
でも僕にとって、自分なりの読書術をブラッシュアップさせるためにだいぶ参考になったのは間違いない。
最後に本筋とは少しずれるが、妙に心に残った一文を引用したい。
私たちは日々、目の前のことで四苦八苦していますが、そういう時に宇宙に関する本を読むことで、広い視野と、小さなことで思いつめ過ぎない心を得ることができるのです。
そうだよやっぱり、宇宙ヤバイ。
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