美少女日常マンガの皮を被った狂気 「りとる・けいおす」 全2巻 鈴川りん 【マンガレビュー】

2017年11月5日

 

双葉社作品紹介ページより

第1巻
転校生の伊藤ゆずちゃんは不安でいっぱい。1人で心細いゆずちゃんに声をかけてくれ心優しいあきちゃんとうきっぺ。「友達ができた!」と喜んだゆずちゃんだったが、この2人がなかなかの曲者で……!? ちょっぴりおませな小学生のキュートでおバカな日常コメディ。

第2巻
はなはだしく無邪気をはき違えた小学生たちがおくる日常ショートコメディー。最終2巻。

 

第2巻の表紙を見れば分かる通り、実はなかなかの画力をもつ涼川りんさんの女子小学生ギャグギャグマンガ。
(でもこの第2巻は表紙詐欺。笑)

なんや普通の美少女日常モノかいと思わせておいて、ギャグの切れっぷりが危険水域にまでどんどん近づいていくという、実はけっこう攻めた作品。

そのために連載当時からカルト的な人気を誇り、一般受けしなくて打ち切りとなった際にはそこそこ非難されたという。

そのギャグの方向性は正直読む人を選ぶかもしれない。
一言で言えば狂気。そんな言葉さえ浮かんでくる。

そういえば美少女日常モノとかさきほど書いたが、普通のページは第1巻の表紙のような絵柄でたんたんと頭のおかしい世界が描かれる。
たまーにうきっぺという主人公の親友だけがガチで美少女化する。
でもそれは彼女の持つガチな狂気が表出したにすぎないのだった……。

 

ではお気に入りのエピソードをひとつだけご紹介。

(ちょっとネタバレだが、見てほしいのはその描写なのでお許し願いたい。)

第1巻9話。

主人公ゆずちゃんは勇気を出してちょっとHなシーンが多い少女マンガ誌を買ってくる。
あきちゃんとうきっぺも図書館でちょっとHな本を借りてきたので、みんなでそれを読もうと言う話になる。

少女マンガ誌を見て、「私だけ先に大人の階段登っちゃった(はーと)」となるゆずちゃん。
実に普通の女子小学生(たぶん)。

でもあきちゃんが借りてきたのは「交尾」というタイトルの動物写真集。
うきっぺが借りてきたのはガッツリ挿絵の入ったマルキ・ド・サドの小説だった。
(表紙からして、たぶんコレ→ 「ソドム百二十日」マルキ・ド・サド、澁澤龍彦 )

でも本当に怖いのは、その本の正当性を主張する二人の少女の狂気に満ちた表情だった……。

 

まあでも2巻後半からはちょっとネタ切れっぽかったから、ちょうどいいところで終わったのかもね。

 

 

ところで、ヤングアニマル誌で今現在連載しているこちらもなかなかの(狂気の受け継ぎっぷりが?)評判のようなので、そのうち読んでみることにします。

てゆうか1巻はもう買って積んである。