『オプティミストはなぜ成功するか』 マーティン・セリグマン 【一般書籍レビュー】 楽観主義はうつ病を防ぎ、悲観主義はうつ病を招く

2018年4月3日

kindle unlimmitedにて、2017年8月初旬に読了

この本の内容を2行で要約してみる。

 

楽観主義者(オプティミスト)は成功しやすい
悲観主義者(ペシミスト)は鬱になりやすい

 

以上である。
心理学者である筆者はこれを、長年の研究から導き出したという。

 

……

……当たり前じゃね?

 

 

気を取り直して、いくつか本書の内容をピックアップしてみよう。

 

 

 

不運に見舞われた時の、悲観主義者と楽観主義者の対比

 

悲観主義者

ペシミストの特徴は、悪いことは長く続き、自分は何をやってもうまくいかないだろうし、それは自分が悪いからだと思い込むことだ。

悲観主義現象の核にあるのは無力である。無力とは、自分がどんな選択をしようと、これから起こることに影響を与えることはないという状態だ。

不幸は自分の責任であり、永続的で、運が悪いから自分は何をしてもうまくいかない、と常に信じている人は、そう思っていない人よりもさらに不運に見舞われることが多い。

 

ようするに、自分は不幸だと思っている人は、更に不幸になりやすいという主張だ。

 

楽観主義者

オプティミストは同じような不運に見舞われても、正反対の見方をする。

敗北は一時的なもので、その原因もこの場合だけだと考える。

そして挫折は自分のせいではなく、そのときの状況とか、不運とか、ほかの人々によるものだと信じる。

 

「まあなんとかなるんじゃね?」って思っている人は、少なくともその人にとってはなんとかなってしまう事が多い、ということだ。

 

本書の後半には、下手するとおバカに見える楽観主義について、それは気楽に何も考えないということではなく、モノゴトを否定的に見ないことだという記述がある。

そうした楽観主義は、殆どの場合、辛い時の支えになってくれるという。

 

 

つまり 楽観主義 vs. 悲観主義 とは

 

 

いわば「まあなんとかなるっしょ!」 対 「もうダメだ……死のう」

の戦いである。

いや戦いにすらなっていない。
楽観主義者の勝ちはどう考えても揺るがない。

……これも当たり前ですよね?

 

 

 

うつ病について

 

 

一言で言えば、「うつ病ヤバイ」

筆者は、うつ病は自殺という形でエイズと同じくらい多くの命を奪い、エイズよりも広く蔓延しているという。

「躁うつ病」と診断された場合には、医学的な治療が必須である。

だが「軽いうつ病」の場合は?

 

ここでも悲観主義と楽観主義は対立する。

 

「私は愛なしでは生きていけない」 「なんでも完璧にできなければ失敗だ」 「誰もが私を好いてくれなければ、私はだめな人間だ」 「どんな問題にも完璧な解決法があるはずだから、それを見つけなければならない」

Vs.

「愛は貴重だけれど、めったに得られないものだ」 「ベストをつくすことが成功である」 「味方の数だけ敵もいる」 「人生では臨機応変に大まかにやることも必要だ」

 

どちらの考えが「軽いうつ病」を誘発するか、言うまでもないだろう。

つまり、「軽いうつ病は考え方次第」という主張だ。

 

 

だがしかし、本当にそうなのだろうか。

考え方次第でどうにかなる「うつ病」なんて、実は「うつ病」じゃないのではないだろうか。

そしてこの点を突き詰めていくと、軽いうつ病と本当のうつ病の境目はどこ?という話にならないだろうか。
いや、それを安易に判断することそのものが危険なのではないか。

かといって専門医が信頼できるかというと、これも確信を持って言えないと僕は思う。
ちょっと暴論だが「うつ病の専門医なんて、言ったもん勝ちじゃね?」という疑念を完璧に拭い去るのは不可能だとすら僕は考えている。

 

 

参考までに、本書では「重いうつ病」の診断基準についても以下のように述べられている。

現在重いうつ病にかかっていると診断するには、次の九つの症状のうち五つ以上がなければならない。

1 気分がふさいでいる
2 普段やっている活動に興味がなくなる
3 食欲がなくなる
4 不眠症
5 精神運動性の遅延:思考や行動が遅くなる
6 活力を失う
7 自分は価値のない人間で、すべて自分が悪いのだと思う
8 思考力が減退し、集中できなくなる
9 自殺を考えるか、試みる

さて、みなさんはどうでしょうか?

 

 

 

本書では何が何でも全て楽観主義でいくべき、と言っているわけではない。

 

 

楽観主義で行くべきかどうかのガイドラインとしては、その状況で失敗した場合どうなるかを考えることだ。

もし失敗が高くつくようであれば、楽観主義は勧められない。
悲観主義には「物事に慎重に対処できる」という美点があるのである。

世の中には「絶対に慎重に対処すべき」事柄がある。
そこでの楽観主義は時として自殺行為に成りかねない。

もし失敗しても大した被害はない場合は、楽観主義で行くべきだ。

 

 

楽観主義で行くべき時に悲観主義に陥っている場合の対処法

 

そう、これが大事なのである。

筆者はそうした場合の対処として2つ挙げている。

 

1 気をそらすこと――何か別のことを考えること

このようにある一つのものに神経を集中すると、関心を移行させることができるという。

例えば、立ち上がっててのひらを壁に打ちつけて「ストップ!」と叫んでみるなど。

 

2 その考え方に自分で反論すること

「ああ、もうダメだ!、だって○○なんだもん!」

というときに、その○○に対して

●証拠はあるか?
●別の考え方はできるか?
●思い込みが本当だった場合、それはどんな意味を持つか?
●その考え方は有効か?

というように、自分で自分にどんどん疑問をぶつけていけばいいというでのある。

 

しかし僕などは、モノゴトに悲観的になっている時にそんなことができるのならば、問題はそもそも大したことじゃないのでは、などと思わずにはいられないのだが。

あ、なんかスゴイ悲観的ですね、僕(笑)

 

 

 

結論:殆どの場合、楽観>>>悲観

 

ウジウジいろいろ考えてると、うつになっちゃうゼ!?

意外とうまくいっちゃうかもだから、とにかく気楽に行こうヨ!

ということである。

 

……

 

……うーん、やっぱりどう考えても当たり前じゃね?

 

 

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