短編マンガの名手によるエロくてグロいのに読後感爽やかなマンガ 「ヴォイニッチ・ホテル」 全3巻 道満晴明 【マンガレビュー】

2017年10月9日

2017年8月18日に購入即読了。

[まとめ買い] ヴォイニッチホテル(ヤングチャンピオン烈コミックス)

 

もともと紙で持っていたが、セールで安かったので我慢できずに再購入。

 

 

 

まずはヴォイニッチといえば、まず思い浮かぶのが「ヴォイニッチ手稿」

ヴォイニッチ手稿( ヴォイニッチしゅこう、ヴォイニッチ写本、ヴォイニック写本とも、英語: Voynich Manuscript)とは、1912年にイタリアで発見された古文書(写本)。未解読の文字が記され、多数の奇妙な絵が描かれていることが特徴である。

wikipediaより

 

無論作品タイトルはこれが由来と思われるが、内容的には直接的な関わりはない。
舞台となるとある小さな島のホテルの、この世のものならざる雰囲気を象徴する言葉として使われていると思われる。

『ヴォイニッチホテル』は、道満晴明による日本の漫画作品。『月刊ヤングチャンピオン烈』(秋田書店)にて、Volume.03(2006年)から2015年No.4まで連載。単行本は同社「ヤングチャンピオン烈コミックス」より全3巻。
南海の島に建つホテルを主な舞台とした、多くの個性的な登場人物たちによって織り成される人間ドラマである。南国のゆったりした雰囲気の中、直接的な残酷シーンは少ないものの、殺人や麻薬売買なども描かれている。死んだはずの人間が生き返って喋ったり、過去に死んだはずの死者が現れたりと、オカルトチックな光景も多い。

wikipediaより

 

 

人間ドラマとあるが、実は魔女に悪魔に幽霊と、人間じゃない登場人物も多い。

それぞれが実に個性的なキャクターで、それぞれの過去や現在の状況が短いページの中で重層的に描かれる。
それは主人公の元インテリヤクザやヒロインの最強魔女はもちろんのこと、町の少年探偵団のリーダーから廃遊園地で地縛霊になっていた男たち、果てはちょっとしか出てこない伝説の2級ボイラー技士まで、奥深さを感じられる設定が随所に垣間見れる。

従ってメインの物語は主人公たちのラブコメ?が主軸と言えなくもないが、そこに様々な物語が折り重なって、わずか全3巻とは思えない程の読み応えを感じさせてくれた。

 

特にこの最終巻は、今までに積上げられてきた伏線が一気に収束していく快感がたっぷりと味わえる。

とはいうものの、描かれる事件の詳細は基本エロとグロである。

しかしあっさりかつスッキリとした絵柄で、そっけないほど淡々と描かれるせいで、不思議と読後感が爽やかなのである。
これには随所に散りばめられた笑わせるためのコネタが実に秀逸だということも理由の一つだろう。

人によって合う合わないは当然あるだろうが、このギャグとエロとグロのバランスがとにかく良いのだ。

 

 

 

それは完全に「お下品系エロ話」に特化した「ぱらいぞ」でも感じられた。
(余談だがこちらもぜひ詳しく記事を書きたいのだが、あまりにもお下品過ぎてちょっと無理かも。めっちゃ面白いんだけどなー)

 

この短いページ数の中に重層的な物語と笑いとエログロをバランスよく詰め込めることができるのが、この作者なのである。

もはや天才の領域とってもちょっとだけしか過言ではないと思う。

 

もう一度書くが、人を選ぶ作風であることは間違いない道満晴明さんの作品ではあるが、ハマればもう大変なことになるので、未読の方はぜひ一度読んでみていただきたい。

 

おっと、本当に秀逸なショートショート集として、こちらも勧めておきたい。

ニッケルオデオン赤/緑/青