あの漫画家の創作術が知りたい! 創作者は勉強熱心 「マンガ家再入門」 第1巻 中川いさみ 【マンガレビュー】
第1巻92%ポイント還元セールで2017年5月末に購入、8月中旬に読了。
『くまのプー太郎』などの作品で、‘80年代の「不条理ギャグブーム」を牽引してきた漫画家・中川いさみ。デビュー30年を迎えたベテラン作家が目指すのは、ストーリー漫画家としての再デビュー。今年で五十ウン歳、「天命を知った」男がモガき、モダえるさまを追った完全ドキュメント漫画がはじまった!! そんな男を指導するため、大友克洋、松本大洋、ちばてつや、弘兼憲史、諸星大二郎など、そうそうたるメンツが大集結!
中川いさみさんといえば「クマのプー太郎」。
ビッグコミックスピリッツの初期を支えた名作ギャグ4コマでアニメ化もされました。
……でもすみません。
読んでたはずですがほぼ記憶にないです……。
その後もマンガ家として、30年にわたってギャグ漫画を中心に活躍されています。
これってスゴイことですよね。
特にギャグ漫画家はよく寿命が短いと言われますから、それを考えればとてつもない偉業といえなくもないかもしれません。
……でもすみません。(なんか今回謝ってばかりだ)
その後のご活躍も私の不勉強のせいで、お見かけしておりません。
これはたまたま載っている雑誌(スピリッツやスペリオール)をあまりチェックしていなかったからと思われます。
そんなギャグ一筋だった中川いさみさんですが、ついにある思いに至ります。
「ストーリー漫画を描きたい!!」
そのためにはまず勉強だ!
となるのところが、実に生真面目。
そして勉強ついでにそれでマンガ描いちゃえというところが、実にプロ。
このマンガはそんな動機で描かれた、ベテランマンガ家のまさに「再入門」的作品なわけです。
その勉強方法は、ずばり「作家に聞く」。
30年選手という地位を活かして、ストーリー漫画の巨匠的作家の方々にインタビューするという形で、話は進行します。
どんな作家の方々で、どんな教えなのかというと(以下敬称略)、
大友克洋「ストーリー漫画はかっこよくなくてはダメ!」
松本大洋「実際にあった話をそのまま描くと嘘くさいので、少しつまらなくして描く」
ちばてつや「キャラクターは「近所のちょっと心配な子供」だ」
弘兼憲史「ネタはテレビやラジオのニュースから」「主人公はちょい薄で」
諸星大二郎「うーん、よくわからないですね~」
松尾スズキ(脚本家)「ストーリーのキーポイントはエロス!」
山口晃(画家)「ビビッと来ないと描き始めない」「見間違い、聞き間違いはオリジナル」
うむ、どれもこれも素晴らしい。
特に諸星大二郎さん(笑)
ストーリー漫画とは何かと考えさせてくれ、いくつになっても勉強が大事ということを教えてくれ、天才というのはあまり考えていないということを教えてくれる良著でした。
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