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パンツじゃないから感動したんだもん! 「福助」 第1巻 伊藤 静 【マンガレビュー】

2017年10月7日

2017年七夕に\0で購入。9/17現在は無料終了。

福助(1) (モーニングコミックス)

 

箱をあけてくれたあなたにはひとつ“福”を差し上げましょう。ひとりぼっちになってしまった千晶が祖母の遺品の中から見つけた小さな木箱。「福助」と表書きされたその木箱を開けると、中には小さな男の子! 千晶に“福”をあげるたびに少しだけ歳をとる福助との、奇妙で温かい日々。しかし短くも幸せな生活は、福助の「力」が災いしはじめて……。連載開始とともに圧倒的支持を受けたファンタジック・ホラー第1巻!

Amazon商品ページより

 

 

ほえ~最近の声優さんはマンガも描けるんだね~

 

なんてことを多分100万回くらい言われてるかもしれない、有名女性声優さんと同姓同名のマンガ家、伊藤静さんの感動系ホラー作品。

謎の存在「福助」を取り巻く愛蔵渦巻く人間模様が、1冊で見事に語られている。
(本作は短編連作方式)

 

今回のヒロインは見るからに幸薄そうな女性。

唯一の家族である祖母を失い、また司法浪人生でマザコンのDV彼氏からは子供を生むのを拒否られ、祖母の数十年来の友人からははした金で裏切られ……

見た目だけじゃなく、十二分に薄幸だった。
特に彼氏が酷いな(笑)

そんな彼女が「福助」と出会うことで、運命と彼女自身が変わっていく。

 

 

「福助」は簡単にいえば福の神だ。善なる存在である。

胎児の姿で出現し、人に福を施すたびに成長する。
成長とは、一定時期をすぎれば老化である。
行き着く先は死だ。
そして胎児に戻る。
これが彼の力の代償だ。

 

生まれて成長しそして老いて死ぬという全ての生物の運命を象徴する存在でもある。

でも彼は力を使うことを躊躇しない。
自らの力で人を幸せにすることが、自らの幸せでもあるからだ。

いや、不幸を目の当たりにした時の彼の表情は苦痛に満ちている。
彼には眼前の不幸が耐えられない。

 

福助の行動理由を「人の笑顔が見たいから」と思うのか、「不幸を見たくないから」と思うのかで、性格判断ができそうだ。

僕ですか?、答えは両方です(卑怯)

でも実際、どんな人間にも人を幸せにしたいという願いがあり、嫌なものはそれが他人に降り掛かったものだとしても見たくないという思いもある。
そういった哲学的な(大げさすぎ?)な問いを誘発させてくれる一因に、力を使うときの福助の描写がある。

神の力を使うときの彼の姿が怖いのだ。醜悪ですらある。

普通神がその力を振るう時、白い光に包まれて暖かな雰囲気の中で、といったイメージがあるが、まったくの真逆だ。
ホラー漫画でもあるからというつまらない理由もあるかもしれないが、その恐ろしい姿は日本人が昔から持っている人間ではない超常なるものへの畏怖から来ているのかもしれない。

そして物語の後半、恐ろしさ、醜悪さの描写は、周囲の人間全て巻き込んで加速していく……

 

全ての人間が持つ善と悪、美と醜、愛と憎、そして生と死について考えさせられる、とても素晴らしい一冊だった。

特にラストシーンは何度読んでも泣けます。

馬鹿なブログタイトルを付けて後悔するほどに。
でも直しません(笑)

参考: Fukusuke

参考: パンツじゃないから恥ずかしくないもん!とは

 

 

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