依存症対策に”減らす”は無い。”やめる”のみ! 「マンガで分かる心療内科 依存症編(酒・タバコ・薬物)」 ゆうきゆう ソウ 【マンガレビュー】
2017年5月28日購入
飲酒、喫煙、ネットに薬物…誰しもがいつの間にかなっている依存症とは何か?そして依存症を克服するにはどうしたらいいかをマンガ分かる心療内科シリーズのゆうきゆう&ソウコンビがわかりやすく解説!深刻な依存症も解決できる1冊です!
ゆうきゆう氏といえば、お医者さんで自分のクリニックを首都圏に多数持ち、ついでにマンガ原作者でそれがまたけっこう面白くて売れているというズルい人。
世の中には2物を与えられた人というのはいるのである。畜生!
……などと嫉妬していても仕方がない。
マンガが面白いのは事実であり、マンガ読みである僕としてはそれで十分なのだ。
さて、本書は依存症に関するマンガである。
これまた毎度お馴染みのソウさんとのコンビによる。
登場するキャラクターもまさにおなじみの「マンガで分かる心療内科」シリーズの面々。
ギャグのノリもまったく一緒。
そこは好き嫌い別れるかもしれないが、僕は好きです。
みんな何かに依存している
でも気づいていない。指摘しても否定する。
まずこれが依存症の特徴だと本書は指摘する。
お酒、タバコ、ギャンブル、スマホ、ネットサーフィンなどなど。
これらについてつい毎日ちょっとでも手を出さずにはいられないのならば、すでに依存症だ。
「でもいつでもやめられるから」
こう否定する人も多いだろう。
依存症は否定の病気という側面もあるのだという。
でも「じゃあ今やめてみて」と言われて、素直にやめる人はまずいない。
さて、依存症であるかどうか判定する基準は
依存ではない=客観的に必要なこと
依存している=必要でもないのにハマっていること
しかしこの客観性の確保が難しい。
主観的には僕たちはどれも必要だからハマっているからだ。
そこで登場するのがこの判定基準。
あなたが依存しているもの、自分の子供がしていたら応援できますか?
これは強烈である。
酒、タバコ、ギャンブル、……まっとうな親ならばできるわけがない。
スマホやゲームも、ある程度は許容できても「おう、どんどんやれや、がんばれや」などとは言えないだろう。
さて、僕の場合、何に依存しているだろう。
タバコ……は随分前にやめたけど、酒は少しだけど毎日飲む。
スマホ……通話以外でもネットや電子書籍リーダーとして必要不可欠。
ブログ……毎日書いてる。
マンガ……読まないと死ぬ。
よし、何にも依存してないな!!
依存症とは食虫植物である
その心は、
甘い蜜で引きつける(快感に寄って人々を魅了する)
↓
奥の方にもっと甘い蜜がある(その刺激に慣れてきて量が増える)
↓
戻れない構造になっている(一度始めると止められない=進むしか無い)
↓
消化液に落ちる(社会的/肉体的に死ぬ)
とのこと。
これはつまり、依存症には境界線がないということを示しているという。
タバコで考えれば分かりやすいかもしれない。
毎日1本でも吸っていれば喫煙者である。
10本の人とも100本の人とも程度問題だ。
(ちなみに生命保険的に非喫煙者であるためには、一年間吸っていないことが条件となっている会社があります)
僕の場合はまる一日マンガを読まない日というのは、まずない。
精神的に参った日などはそれはもう大量に読む。
でないと(精神的に)死んじゃうからである。
だから依存しているものは減らしても意味がない。やめるしか無いのだ。
マンガはやめませんけどね!
ではどうすれば依存症から抜け出せるのか?
本書で最後に紹介されているのが、「試しに少しだけやめてみる」ということだ。
例えば一日だけと決めて禁煙してみる。
もちろん一日立てば吸っていいし、調子が良ければもう少し延長してもいい。
これは量を減らすということではなく、たった一日でもゼロの日を作るということだ。
一日でもゼロの日があれば、依存に関与する脳内物質であるドーパミンの分泌が改善する可能性があるという。
そしてその一日で「依存していない普通の日」に思い至れば、依存症脱出への道筋が見えてくるというのである。
つまり「忘れかけていた普通の日々の幸せ」を思い出すことこそが、依存から抜け出す切り札だ!
と主張して、本書は終わる。
では最後に僕のマンガ依存症について
別に仕事中に読んでるわけじゃないし、自分でちゃんと買って読んでるし、ブログのネタになってるし、読んでると現実逃避できるし、人生にはラブとかコメとか必要だし、読まないと呼吸が止まって死んじゃうし……。
よし、全然大丈夫だな!!!
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