青春系スラップスティックグルメヤクザマンガ 「紺田照の合法レシピ」 馬田イスケ 【マンガレビュー】
2017年5月27日に購入
東京都を根城とする指定暴力団・霜降肉組(しもふりにくぐみ)の新人組員、紺田照。彼は弱冠18歳でありながら、その度胸と冷静さで幾度も組の危機を救い、皆から一目置かれている。そんな彼の趣味兼特技は「料理」。修羅場の中にあっても、常に料理の発想を忘れない照のレシピが今日も披露される。
イマドキのグルメマンガは設定を凝らなくてはいけないので大変だ。
本作においてはヤクザの若い構成員(しかも現役高校生)が料理好き、という設定である。
そういえば似たようなものに「侠飯」がある。
こちらもヤクザの組長が食べ物にこだわりのある料理好き、というもの。
もちろん、どちらが先とかそういう野暮な話はするつもりはない。
(ないけどやっぱり「侠飯」ですよね、たぶん。あ、次はこれで記事を書こう)
ただしこの2作にはギャグ系とハードボイルド系という違いがある。
こちらはいかにもマンガ的なヤクザ描写で、安心して読める。
そもそもネーミングが全部当て字であるところで、もはやギャグ以外の何物でもない。
グルメ要素だけではなく、ギャグマンガとしても秀逸
例えば
・リボルバーがレンコン
・大葉は合法ハーブ
・山に何かを埋めに行った際に採取した天然なめこ
・割れたビール瓶からタジン鍋を発想
こんな感じで、それぞれの話の中でヤクザ/バイオレンス要素とグルメ要素が見事に絡まり合っている。
また主人公が現役高校生ということで、意外にもちゃんと青春モノしてるのだ
その青春要素として重要な位置づけになっているのが、
可愛くておせっかいな元気はつらつ系委員長の存在だ。
空手部である彼女は、スポ根要員ですらある。
そして彼女以外のクラスメイトは、主人公の正体にうすうす気がついているところも面白い。
さらには所属する組のトップは、若くて美人な未亡人組長。
禁断の愛路線もたぶんあるでコレ!
ということで、グルメ&ギャグマンガとしてとてもよくデキている作品だった。
続刊のセールが待たれる。
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