kindle unlimitedで全巻読めま……した(過去形)
(残念、現在は1巻だけアンリミで読めます)
龍崎イクオと段野竜哉は、最愛の人を亡くした15年前の事件をきっかけに、ある巨大組織に守られた男への復讐を誓う。因縁の男を探し出す為に、そして復讐を果たす為に、龍崎は刑事になり、段野は極道になった。二人が追う男が身を置く巨大な組織、それは……日本の警察機構!
驚いた。こんな面白いマンガがアンリミで読めるなんて。
アンリミ立ち上げ時の超大盤振る舞いを一瞬思い出した。
いや今まで読んだアンリミのマンガも、どれも面白かったが。
実は玉石混交で、どちらかといえば石が多かった気もするけれど。
このウロボロスは間違いなく玉だった。
あやうく「好きすぎてレビューが書けないマンガ」リストに追加されてしまうほどだった。
今も実はうまくレビューなど書ける気がしていない。
でもまさに読了直後の今の思いを記録しなくてはならないという思いが僕にキーボードを叩かせている。
とは言っても実はあまり書くことがない。
いや正確には書くべきことがない。
あえて書くならば、
面白かった。
感動した。
以上である。
でもそれではレビューにならないので、もう少しがんばって書いてみよう。
何が面白かったのか。
複雑に絡み合った謎と伏線が見事だった。
全部で24巻という長丁場の連載だったが、ほぼ中だるみすること無く、また謎が謎を呼ぶ展開で最後まで緩み無く、実に見事に物語が進行していった。
作者はこれを、最初から最後まで構想していたのだろうか。
そうだとしても、連載中に流れで構成していったとしても、どちらにしても見事である。
キャラクター造形も良かった。
怪しいやつが素直に怪しくて、でも闇はもっと深くて、の繰り返しがストーリーにのめり込ませた。
主人公二人ももちろん魅力的だったが、ヒロインも素晴らしかった。
いつもはドジで間抜けな頼りない男。
だがいざという時は人格が変わったように冷酷無比で驚異的な戦闘力を持つ主人公。
イケメンで超有能な893の若頭。
そして堅物で警視庁のエリートである父親と折り合いの悪いお嬢様キャリア。
こう書くとなんだか類型的のようにも見えるが、物語中では実に個性的に描かれていた。
また脇を固めるおっさん、おばさん連中も実に濃かった。
それらを十分に描ききる画力が素晴らしかった。
もちろん、文句も無くはない。
時々ある残虐描写が、まあ許せる範囲ではあるが僕にはちょっときつかった。
特に子供が虐待される話は作劇上必要なのは分かるが、ちょっと……。
とにもかくにも始まりから終わりまで、実に見事な長編マンガだったといえよう。
残念ながら全巻アンリミ対象は終わってしまったようだが、お金を出して買ったとしても十分お釣りが来ると断言できる。
ガチでおすすめです。
[まとめ買い] ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ―(バンチコミックス)
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